2018年9月29日~30日は台風24号の影響で大雨が降り、南部町には避難勧告が発令されました。
いくらの郷の裏山の林道も、随所で土砂崩れなど被害が多発しました。真砂土と粘土の入り混じった地層で、崩れやすい風土となっています。
いくらの郷の前を流れる入蔵川も、大水で石積み護岸が洗われ、洗掘による災害が多発しています。
この地域は花崗岩が風化した真砂土の多い地域で、大昔はタタラの盛んな地域だったと思われます。カンナ流しで砂鉄を採っていたようで、今でも土の中から鉄くずのケラが出てきます。
いくらの郷で管理しているほ場が大変な被害になりました。小さなため池が崩壊して、いつもとは違った経路で水が流れ、思わぬ大災害になりました。農道が崩れて消失しているばかりか、農地も少し崩落してしまいました。杉の大木も根元から倒壊しました。
収穫前のキヌムスメですが、思わぬ災害で驚いたことと思います。災害は忘れたころにやってくると言いますが、50年来慣れ親しんできた風景が、姿を豹変して何かを訴えてきます。
猫の額と言ってもよいような源流域の山間地の棚田は、箱庭のようなもので、きめの細かい管理が必要ですが、大雨の見廻りもしなかったツケが回ってきたようです。ごめん、ごめん、つらかったねと言う気持ちです。
いつもとは違ったルートの大水で、水を吸い込んで堪らなくなった法面が農地の一部も巻き込んで崩落しました。ごめんなさいと謝っているようにも思えます。
自然とも農地とも心の中で対話して、ぶつぶつ言っているのです。
嘆いていても何も始まりません。ツリーハウスの材料に丁度良かったねということで、とりあえず4mに伐っておくこととしました。どんなことが起こっても決して悲観せず、常に前向きで考えていないと気持ちが萎えてしまいます。
特に若者の前では、空元気を出して見せることも必要ですね。ト・ホホ・・・・・。
応急対策でシートを張って、2次災害の防止を図りました。災害査定となった時に、この程度の対応はしておかなければ、査定官の心証を害します。
災害については国庫負担法が整備され、激甚災害にでもなれば90%以上は補助制度で復旧されます。今回は激甚災害ではないのですが、それでも70%位は補助があるようです。
補助制度さえなかった昔のことを思えば、金をかけても復旧すべきというのが正論でしょうか。
いくらの郷の山野は何事もなかったように、秋の恵みで満たされています。シメジもたくさん顔を出しています。今年は雑タケの年のようです。毒タケも含めて山の中に入ると、びっしりと生えてガンジョしたタケ採り人との出会いを待っているようです。
この度の台風24号は、いくらの郷周辺に大きな災害をもたらしましたが、一方では傷ついた人や自然を慰めてくれるように、季節外れの山桜が美しく咲きました。緑水園下の国道沿い駐車場横の山桜の木です。
色々なことが起きるのだけれども、生まれ育ったこの地域で強い心で生き抜け―遠~い昔からみんな頑張ってきたんだよと慰めてくれました。
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