サトイモ洗い水車の製作

 サトイモを洗う水車を製作することとしました。芋かごは孟宗竹を使いますが、竹の端に釘を打つと割れてしまうため錐で穴あけをします。鋸で切れ目を入れ、交差点に穴をあける様に慎重を期しました。

 芋を入れると相当な重さになりますから、水車が回るのには部材は軽いほうが良いのですが、部材を薄くすると竹がしわって、間から小さな芋が漏れてしまいます。適当な厚みも必要な訳です。

 水を受ける羽を作ります。水が掛かるところですから、水切れが良いようにカンナをかけます。

 羽を支える棒です。6枚羽としましたから、左右で合計12本必要です。小さな部材でも頑丈でなければなりません。また釘を打つ時に割れないように、錐で穴をあけて打ち込みました。

 胴は合板を使用し電動鋸で丸く切りました。芋を入れる蓋の部分だけは、真っ直ぐに切り込みました。

中心には塩ビパイプを入れ、その中を鉄棒を通して芯にしました。簡単なものですが、こうして並べてみると、結構な品数の材料が必要です。

 この空洞の中にサトイモを入れて外に羽をつけ、水流で回転させて芋を洗うのです。芋同士で皮がはがれ、竹の角でこすられてきれいになります。このサトイモ洗い器は胴の直径が30㎝、長さが45㎝もあり相当大きなものです。

 

 蓋はちょうつがいと留め金で取り付け、芋の子が流失しないようにします。蓋の幅も芋の出し入れを考えて、手を入れて見て調整しました。

胴の大きさ、長さ、それに合わせた羽の幅、枚数、長さなど、また水量、落差、水流など最適なサイズの理論があるのでしょうが、マニュアルは無く経験と勘によるところが多い工作です。

 水車が完成しました。芋だけ洗うならこんなに大きくなくてもよいのですが、役目が終わったらイルミネーション点灯用の水力発電器として、活用しようと考えているのです。

 

 早速、いくらの郷の前の川に設置しました。

 100ミリの塩ビパイプ2連で水を掛けます。

 上から見るとこういう大仕掛けな細工です。大水が出ると、水車もろとも流されてしまいますから、日常の管理が大変です。

 勢いよく回り出しました。ただ流れるに任せていた水が、このように回転エネルギーに変わって、仕事をするところを目の当たりにすると感動ものです。

左右の長さが違っていたり、曲がって取り付けたりなど、制作過程の様々なしくじり、後悔もすべてを包み込み、何もなかったようにグルグル回ってくれています。ありがとう水車!!

発電して明かりを灯して見せれば、地域の皆さんは腰が抜けるほど驚かれるに違いありません。

研修生も子供たちも感動するのではないか。アッと驚かせようと密かに誓った事でした。

 サトイモを入れてみました。相当量が入りましたが、入れすぎると重くて回らなくなります。少ないと早く回って芋が削られ、小さくなってしまいます。最初は程の良い塩梅が分かりません。

 1時間も回していたら皮が剥げて、きれいな白い芋になっていました。早速取り出してきれいに水洗いをして、真空パック詰めをしました。

このように立派なサトイモの真空パック詰めが完成しました。大量にイモ洗いをしても、長期保存も可能です。来年は休耕田で、大々的にサトイモづくりを始めてもいいなあと思いました。

 ところで水車作りも上手になり、試作第2号は本来のサイズで作ってみました。胴の直径が20cmです。出来栄えがとても良いので、受注生産で地域の皆様に安価で提供したら喜んでもらえるのではないかと思いました。3000円なら飛ぶように売れるだろう、5000円ならポツポツか?などと話題が広がります。研修生の自信につながりました。

白い椿とユズを活けてみました。そう言えばいくらの郷地域はユズがたくさん植えてありますから、工房でユズの加工品も考えて見なければなりません。

とにかく次々と想いが浮かんできますので、困ったものです。後始末をする人のことも考えて「いい加減にして・・・」と言われています。


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