新人が入所

 研修生2名が12月3日より職場体験実習に出かけていますので、仕事が無くなり手持無沙汰で困っているのではないか?とご心配の向きもあるようです。ご心配には及びません。米子の方から、薪の注文がありました。長さ45㎝×直径30㎝程度の杉・桧の束が720円でホームセンターで売られていました。

薪ストーブは欲しくても、薪が高いのでと言う事で中々普及しません。いくらの郷は薪の最高級・樫材570キロを僅か17000円でお届けしました。㎏あたり30円弱と言うところです。研修生と汗を流して作った樫材で、思いを込めてお世話しました。

 12月13日には新人が現れました。保健師さんの紹介から社協でのヒアリングを経て、いくらの郷での活動見学に来て頂きました。関係者の良い連携が取れてきました。

氷雨の降るような寒い日だったので、先ずは温もろうと裏山のツリーハウス計画予定地に案内し、火を焚くことから始めました。材料が濡れており火を点けることは容易ではありませんが、コツを教えるとこんなに大きな火が燃えて、心も体も暖まります。火を囲んで、色々な話を進めていきます。

 山陰の冬は晴れ間があっても、時雨れることが多いので、屋根の下での木工作業をしました。

I君は27歳で何をさせても器用で、気が利いて覚え込みも早く、手間いらずです。引きこもりと言っても、家では農業のお手伝いをしていたようで、これで出来ないことは無いようです。器用貧乏と言うのでしょうか。一通りの事はできますが、逆に何が自分に向いているのか、自分は何がしたいのか分からないままに、家で3年半も過ごしてしまったと言う事のようです。

 春にカリカリ梅を製造するための準備で、梅割り器を作りました。カンナ掛けも上手でしたが、写真では柄を削っています。これは機械ではできませんので、鉈で削ります。根気のいる仕事で、「気」を養うのにはもってこいの作業です。

 教えることは材料の使い方や、カンナ掛けの方法です。木のそりを避けるため、中心を外に向けて使うこと、順目と逆目があるので、材料の側面を見て順目でカンナかけを行う事などです。

 このような道具を使って材料を固定してから、ちょうつがいを打ち込みます。

インパクトドライバーも上手に使って見せました。

 材料の高さの僅かな違いなどは、カンナで調整します。カンナクズを見れば上手・下手が分かりますが、I君はそんなことも知っていました。

 あっという間に2台の梅割り器が完成しました。

 あんまり早く終わったので、先輩たちが作りかけしていた芋洗い器にも挑戦しました。

 最後はカンナの刃を抜いて収納します。カンナの頭を叩いて抜くのですが、これも手際が良くて驚きました。

I君には心の中にコツンと応える核が必要なようです。ハートを熱くさせるものを見出す事が、いくらの郷で学ぶ課題の様に思いました。


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