主客転倒

 主客転倒と言う言葉があります。主と客の力関係が逆転したり、重要度が逆さまになることを表す言葉ですが、研修生I君はお菓子づくりの専門学校で学んでいますから、パンやピザを焼いたりプリンを作ったりと、この分野では縦横無尽の活躍で、スタッフ一同が教えを乞うような状態となり、正に主客転倒の事態となりました。


 3月前半は雨の日が多く、外作業は難しい日にパン作りに挑戦しました。

この分野では研修生I君が先生で、女性スタッフが研修生となり、正に主客転倒の状態になりました。

パン作りのコツは、生地づくりに手を抜かないことと学びました。

 テーブルの上をきれいに消毒して、生地をこねます。叩きつける、こねるを幾度も繰り返し、生地をまとめますが、とても根気がいる仕事です。

 バターロールパンを焼くこととし、途中でバターを入れて、均等に行きわたるように更にこね、叩きつける生地の面を変え繰り返します。バター片も一度に入れずに、2~3回に分けて入れますから、生地の作成に随分と手間暇が係ります。

 生地を拡げて見て、指の先が薄く透けて見える程度になれば、生地づくりも完成です。

その後、生地を入れたボウルにラップをして角皿に載せ、一次発酵をさせます。

 生地は写真の様に水滴状に成形し、ラップをかけて休ませます。十分に発酵時間を取ることが大切のようです。

 一つ一つめん棒で丁寧に伸ばして、ロール状に巻き上げ2次発酵に掛かります。200°Cで予熱、完了後、180°Cで約10~15分で焼き上げます。(詳細はネットでレシピを参照してください)

 家庭用のオーブンで、一度に焼く事が出来るのは9個程度です。

 香ばしい香りと共に、きれいに焼き上がりました。スタッフは「今まで一度も食べたことの無いほど美味しい」と言います。所長も頂きましたが、もう一個欲しくなるほど美味しいパンでした。

 

 焼きたてのこの味を知ったら、お店で買ったロールパンは3段くらい味が落ちると思いました。冷えてからも美味しくて虜になりそうです。I君の技術に舌を巻いて、これからお菓子づくりでは「先生」と呼ばなくてはなりません。

 美味しいのだから、もっと大量に焼けばよいと、隣の加工所に導入してあるスチームコンベクションを使ってみました。

 結果はパンが柔らかく、味も更に良くなったと言うのですから、嬉しくなりました。

パン屋のない南部町ですから、いくらの郷工房産で「商売が出来るのではないか」等と夢が広がってきます。


 これはI君が自宅で作ったホワイトデー用のカスタードプリンです。ホイップ、イチゴ、ミカン、モモ、パイナップル載せで、色合いも良し、味も良しで相伴して美味しくいただきました。

 外の皮が少し傷んだバナナを使って、バナナマフィンも作ってくれました。

 ピザも何種類も焼いてくれて、お手の物です。所長は滅多に食べませんが、ただ「美味しい」としか形容の言葉を知りません。

研修に来たI君の菓子づくりの腕前にただただ感心し、これは主客転倒だなあと思った事でした。


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