春は枝頭にあってすでに十分

 「春在枝頭已十分」(はるはしとうにあってすでにじゅうぶん)ー中国、宋の詩人「載益(たいえき)の探春(はるをさぐる)と題する七言絶句の結句です。

今年の冬は例年に比して雪が少なく、春が早くやってきました。例年は花も僅かづつ開花時期がずれたりしていましたが、百花が一度に咲き誇る状況になっています。いくらの郷は、自然の息吹を心と体に取り込んで、自然人としての人間の元気を取り戻すことを基本に活動していますから、気にかかるわけです。


 昨年、9月末の台風24号の襲来があった折に、季節外れの山桜が咲き、このブログでも紹介しましたが、同じ山桜が今まさに開花しています。何かがどこかおかしくなっているようです。

 サンシュユの木です。早春の花木として重宝されます。黄色い花がきれいで別名「ハルコガネバナ(春黄金花)」と言いますが、秋には赤い実が付く事から「秋サンゴ」とも呼ばれ、漢方薬としては強壮薬になるようです。1722年に薬用として、朝鮮から種子が持ち込まれたそうです。

 ひえつき節で「庭のさんしゅの木鳴る鈴かけて」と唄われる木だと思っていましたが違っていました。山椒の木に鈴の付いた馬を繋ぎとめる、その鈴の音を姫が待つ・・・。平家落人狩りの那須大八郎と、落武者が擁護する鶴富姫の恋の物語でした。平家の落人狩りの時代で唄われているのだから、サンシュユとは違うとの事です。

 ふきのとう(蕗の薹)の花です。「薹が立つ」とは正にこのことで、野菜などの花径が伸びて堅くなり、食用に適する時期を過ぎる事にかけて、盛りが過ぎる、年ごろが過ぎる事にも使いますね。雪解け時期のふきのとうは、冬の間に体に貯まった毒素を取ると言われ、アク抜きをしてテンプラ、みそ等で頂きます。

 皆さんご存知の土筆(つくし)です。スギナの胞子茎で、茎頂に筆の穂状の胞子が付き、胞子を出すと枯れます。「古草にうす日たゆたふつくしかな」と詠まれています。

今は可愛いのですが、スギナは退治しきれない雑草で、農家が秋まで戦わなければならない天敵です。

 香りのよい春の草花、スイセンの花です。球根で毎年この時期に咲き誇ります。黄色いスイセンの花言葉は「もう一度愛してほしい」「私のもとへ帰って」だそうです。

 Nさんがスイセンの花を掲げて、大山に向かって何かを叫んでいるようです・・・・。コメントは止めときましょう。

 サクランボの花です。この花が全部真っ赤なサクランボになるのだと思うと、自然に口元がほころんできます。

事実、毎年びっしりと実がついて、摘果し切れないほどです。バラ科サクラ属ですから、「サクラ切るバカ」にならないように注意して剪定しています。

 徒長枝は剪定しましたが、基本的に樹形が横に広がるように、整枝しています。

 

 庭の紅梅の古木です。例年は他の花に先駆けて咲きますが、本年は他の花と一斉の開花となりました。

どこにでもあるような紅梅ですが、毎年、猿のコシカケが生えるのです。ガンに効果があるそうですが、梅の木に生えたものは最高と言われています。

古木でなければ生えないようです。

 その昔、ガンに罹患した友人のお見舞いに、この木で生えた猿のコシカケを持って行き、喜んでもらいました。「生きたかっただろう」と早逝した友を毎年、思い出させるのです。

 

 馬酔木(あせび)の花です。毒を持ち馬が葉を食べれば酔うが如くにふらつくことから、この字が充てられているそうです。いくらの郷地域では白色が多いので、ピンクは珍しい色です。

 南部町一大きな白木蓮の古木です。

例年よりも早くつぼみが膨らみました。

コブシとよく間違えるお方がありますが、コブシは薄い花びらが6枚と少なく、よく見ると誰でも見分けがつきます。白モクレンは肉厚な花びら9枚となっています。

 ライトアップしてみると、夜の暗闇に白い花びらがこんもりと浮き上がって実に見事です。「夜の貴婦人」と形容したくなるような、白い輝きを放った高貴な白で咲き誇ります。花が開くまでが見ごろで、今年は4月5日頃までは見れると思います。


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