ウッドデッキ遂に完成

 5月12日、快晴に恵まれた建ち前の日を迎えました。大工さんやボランィア、見物人に加え、昨年の研修生の皆さんも参加し賑やかに始まりました。大引き、束などをトラックで運びます。

 ツリーハウスを予定する樫の木の元には、如何にも小動物などが雨宿りでもしそうな洞があり、ここに神宿ると言い聞かせて安全祈願をすることとしました。 

 全員が神妙な面持ちで安全を祈願して取り掛かりました。

 資材の運搬はユンボの出番です。大工さんが無口になってきましたので、所長が差配しています。束が基礎の上にうまく乗れば良いが・・・大工さんの祈るような気持ちが良くわかります。

 さすが本職でした。20㎝の基礎にうまく乗りましたので、一安心です。

 2本目の大引きは少し慣れてきて上手になったのか、束も文句なしに基礎に乗りました。ユンボの布ロープを掛ける位置も考えています。

 掛矢で上から叩いて、大引きのホゾ穴に束のホゾを差し込みます。とび職も素人ですから、恐る恐るの作業で時間がかかります。大引きも長い乾燥期間によじれたと見えて、僅かですが束と大引きの間に隙間が出来ます。本職はそれが気になって仕様がないようです。

 大引き2本セットした所を下から写しました。堂々として素人細工には見えないのですが如何でしょう?ついつい自慢がしたくなります。

 大引き3本をセットしたところでお昼となりました。3本の大引きの水平を目測したり、基礎とのズレを指摘されて大工さんは針の筵だったでしょう。現場で調整すれば良いと言って、直角を出したがる本職をその気にさせたのですから、少し位のズレは所長の責任です。

 お昼は賑やかにお弁当を広げました。女性スタッフの前日からの仕込みで、美味しい猪汁やタケノコご飯、地元の人からの差し入れで、皆が美味しくいただきました。ご馳走です。子供たちも山で頂くといつもよりたくさん食べます。ブログを見て基礎作りを手伝ってくれた、米子からのKさん夫婦もワンちゃんを連れて応援に来てくれました。そう言えば神出鬼没のAさんの姿がありませんが、人手で困っていない時には現れません。凄い人です。


 お昼休みには子供たちが早速にターザンの真似事です。樫の木に絡み付いたカズラにぶら下がり、急な斜面に向かって漕ぎ出します。幼い頃に父に連れられて山に行き、怖かったけれども思い切って高所から斜面に漕ぎ出すと、今まで見たことの無い景色が広がり、何度も何度も遊んだ記憶があります。大山だってこんなにきれいに見えるのですから、大人でも確かに面白い。スタッフもデッキの上からとは言うものの、重さでカズラが切れるのではないかと言う心配より冒険心が勝って、皆が童心に帰って大きく漕ぎ出しました。


 スタッフも翌日やって見ることとしました。若手のTさんはさすが度胸があって漕ぎ出しもダイナミックです。理事長は高さが飽き足らず、脚立の上から漕ぎ出しました。Nさんはコワーいとか言っていますから、所長が抱きかかえて上に持ち上げ漕ぎ出しをサポートしました。ターザンのような雄たけび?悲鳴?を上げて漕ぎ出しました。

デッキの先端に座って足をプラプラしていると、下から涼しい緑風が吹き上げて気持ち良いので皆がお気に入りです。


 道路側から見れば真ん中の大引きが少し出っ張っていますから、チェンソーで切っています。とにかく現場に合わせて臨機応変に対応できるのも、自分たちで製作する構造物の醍醐味です。

 いよいよ板張りです。この日のために昨年から十分に乾燥させておき、先日カンナかけをして防腐剤を塗った厚さ3㎝の杉の座板です。長い間には反ってしまうことも予想して、材木の芯の方を上に向けて釘で打ちつけました。

 板の間隔は1cmとしました。板が膨張して隣の板と押し合って、盛り上がることを防ぐ目的です。また子供たちが手足の指を詰めるのではないかなどと心配し悩んだ挙句に、結局1cmに決めました。

 板の裏表の反りは自動カンナで修正してありますが、長尺での曲がりは修正してありません。左右端で1cmを開けても、真ん中どころで3㎝くらいも空いていますから、ノミとバールで強制的に修正して釘の打ち付けをしています。

 色々な場面で色々な工夫をしつつ、ようやくデッキの板張りが終わりました。思い描いていたデッキが出来上がると、達成感で胸がいっぱいになりました。

 下の林道より見上げたウッドデッキの風景です。樹間の木漏れ日の中にひときわ存在感を誇示して建っています。

 ツリーハウスを予定する樹の上から下に向かって集合写真を撮りました。皆の笑顔が満足感で溢れています。

約12㎡もありますからテントも張れますし、茶会でも開催できます。

 改めてデッキの上から眺める大山です。雲が「やったね!」と拳を上げて喜んでくれているようです。


 昨年来、研修生やスタッフと共に夢を語り合ってきたウッドデッキが完成しました。

今後はいよいよツリーハウスづくりに取り掛かります。ツリーハウスを中心に、キャンプができるように炊事棟や便所、ブランコ、巣箱製作、マウンテンバイクでの山登り、トレッキングコースの整備など壮大な計画ですが、苦しむ若者を支え元気を取り戻させる事を目的とした、いくらの郷の支援の中心に据えて取り組んで行きます。


ご意見をお寄せください

メモ: * は入力必須項目です