研修生の日常活動

 研修生が日常活動で何をして過ごしているのか紹介します。

 この時期は雑草が元気を出す時期ですから、草刈は必須です。刈払い機の使い方は教えましたが、刃が摩耗して切れなくなりますから、目立てをして再利用します。特別な技術はありませんが、新品の刃をよく見てその形状になるように研いでいきます。

 新品の刃を観察すると、チップの埋め込み角度が違うもの、刃が左右に広がり鋸状になったもの、チップの裏と表に角度が付けてあるものなど、製品によって違いがあります。切れ味は企業秘密のようですが、その意図を推察しながら削っていきます。

 削り方も研磨機固定で削るやり方と、研磨機を動かせて削るやり方、双方を組み合わせての方法などありますが、研磨機固定がやり易いようです。

 山本五十六の「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」が指導の基本です。

 一度教えただけで自分で出来る様になりました。写真は研修生がTさんと相談しながら研磨していますが、自分で刃を研ぐことが出来る様になればもう一人前です。

 いくらの郷の前田は今ちょうど分けつ真っ最中です。

稲の様子がどう変わっていくのか、観察するように宿題を出しています。写真は田に雑草が多かったので、エンジン付きの田押し車で歩いたあとです。

 わずか2~3日で稲がグッと元気を出してきますが、その変化を見抜くことを求めています。何となく風景で眺めるのではなく、稲が自然の中で息づいている、躍動している、大地が物を生み出す壮大な営みを実感してもらうように指導しています。

 ツリーハウスで使用する材木を山から運び出しました。「木六竹八」と言う言葉がありますが、木は6月に伐倒すれば皮剥ぎが容易と想像します。

 小径木をチェンソーで伐っています。チェンソーは刈り払い機と違って、身体に近い分一層危険ですから、慎重に慎重にと教えています。

 いくらの郷の石垣の上に残っていた雑木などが元気を出して、鬱蒼としてきました。これを片つけてきれいにします。

ところで「鬱」と言う字は随分と難しい字ですが、よく見るとかんむりの下に「凶」と言う字が充ててあります。うつ症状で悩む若者が多いのですが、取り巻く環境がこの藪の様に鬱蒼として複雑になってくると、先が見通せなくなり、風通しも悪くなって心も落ち込んでいくのではないでしょうか。

 きれいに刈払い見通しも風通しも良くなり、すっきりしました。

 若者が複雑な人間関係や情報過多の日常、競争社会での人間疎外などで、苦しむ事は容易に想像できます。いくらの郷では静かな環境の中で、自然の呼吸に合わせて生きている自分を発見し、自己肯定感を持って社会復帰してもらうようなイメージで活動を展開しています。

 前の畑にひまわりを植えましたが、草に覆われて鬱蒼としてきたので草取りをしました。研修生N君は元気が良くて、労を惜しまず積極的ですから、どんどん進んでいきます。

 きれいになりましたが、心も洗われたのではないかと思います。いくらの郷地域は、命あるもの全てに共感できる共生の場でもあります。

 カリカリ梅の原料となるシソの葉を選別している地元の人の中に入り、コミニケーションをトレーニングします。

 会話の中に自然に引き込まれ、場の空気を読む事を覚え、間合いを覚え、苦手だったコミニケーションが取れるようになります。N君は独り言を言いますが、「寝言は寝床の中で、独り言は一人の時に」と指導しており、かなり改善しました。

 梅採り作業です。女性スタッフにはやされたのか、脚立の上に乗っていますが、これは危ない絵です。目を離すとこういうこともやりますから、気が抜けません。(後で聞くと、一生懸命になってしまい、女性スタッフの危ないと言う忠告も耳に入らなかったようです。)

 前の畑のトマトが色づきました。

 キュウリもたくさん実を付けました。研修生のお土産に持たせます。花がたくさん付いていますが、ミツバチが交配しているのだと思うと、良く出来た自然のサイクルを感じます。

 茄子です。「親の意見と茄子の花は千に一つも仇が無い」等と子供の時から聞かされてきました。茄子の花は必ず実になると言う事から、親の意見も外れないと教えたものです。理念は良しとして、咲いた花が全部結実するものなのか、確かめて見なければなりません。

「親の意見と冷酒は後で効く」と言う事は、実感として良く分かりますけどもね。

 地元のBSSテレビの取材を受けました。プロデユーサーがウッドデッキの上でターザンをしてご機嫌です。一度に気に入ってもらいました。

 研修生達と一緒に作ったウッドデッキの上でインタビューを受けましたが、素人離れした出来栄えに感心されました。夢を持って取り組んだことや、自然豊かなフィールドの中で体を使い、汗をかき元気になっていった様子を紹介しました。

 


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