少し進んだツリーハウス

 山から伐りだし、製材所に依頼していた板材が届きました。いよいよ本格的な作業開始です。

 これは山桜の厚板で、仕上げが5cmになるように製材して頂きました。今年度で離任するNさんが、記念に机を作りたいと申し出があったので、材料をプレゼントしました。所長は食堂のテーブル、理事長は焼き物の置台を作ります。

 ツリーハウスの足場材として、厚さ3cmの仕上げになるように製材してもらいました。赤みが多く上等でしたが、伐ってから1年近くも経っているのに、軽くなっていません。やはり製材して乾燥させておかなければなりませんネ。

 大工仕事の作業台用に、早速2枚をカンナかけをしてみました。水分が多いのですが、それでも機械ですね。難なく立派な板材になりました。

 最近は天気も良くて、庭には百日紅が咲き、ミツバチが訪花するなど、平和な山里の風情ですが、ミツバチはオニヤンマに捕食されますし、最大の強敵、熊蜂との壮絶な戦いに明け暮れ、厳しい生存競争が繰り広げられています。

 板材はこのようにして乾燥させます。

平に置くと裏側が乾燥しませんので、縦に置きます。

 前面に来る桁材が直径30センチ以上のヒノキ材で、乾燥が十分でないために随分と重い事から、三又を組んでチェンブロックで釣り上げることとしました。組み立てのコツは、三又の中心が設置する桁材の位置の真上に来ることと、柱を立てるので十分な高さがあることです。竹を置いて桁に見立てています。

 チェーンブロックを吊り下げて完成です。三又の材料もハデに使っていた栗の木ですから、丈夫なものです。

 竹でデッキの2階部分を組んでみました。これと同じ型をいくらの郷の前庭で組立て、良かったら解体し現場で再度組立てると言う考えです。下のデッキと同じ向きでは芸がないと言うリクエストにお応えし、大山が正面に見える下手に振って見ました。前が広く後ろが狭い台形型で、高さが2m50㎝くらいになります。

 後方の桁を支える柱の基礎固めです。重い樫の木に柄を付けて、二人で呼吸を合わせて突き固めます。突くほどに下がって行きますが、樫の根を傷めてもならないことから、コンクリを厚くして対応しました。研修生A君もすっかり作業に慣れて調子が出てきました。

 ネコ車の皿の上で、コンクリート1に砂と砂利3程度を目安に練ります。

元気の良いスタッフのTさんが相方を務めてくれましたが、女性にコンクリ練りをさせていたと、どこで見ていたのか愚妻からお叱りを受けました。

 研修生のA君はコテを上手に使って、表面の均しを取っていきます。職業の選択間違いをしたのではないかと思うほど、きれいに仕上げました。

 いよいよホゾやホゾ穴づくりで、本職の大工さんをお迎えし指導を受けます。先ずはノミの研ぎ方からです。使った道具を土の上に置かないことなど、道具を大切にする大工さんの心を学びます。

 大工さんから寄贈して頂いたホゾ作成の機械です。ホゾ穴に入りやすいように先をノミで削っています。

 元々が繊細な心と手を持っている上に、本職に直接指導を受けていますからきれいに仕上がりました。やればできると言う自信が付き、知らぬ間に自己肯定感を育みます。

 「山本五十六の「やって見せて、言って聞かせて、させて見て、褒めてやらねば人は動かじ」と言う事を指導の基本にしています。

 指導員のTさんが褒めに出てきました。褒め言葉ではやし立てるので、A君も「俺も満更ではない」ような気持ちになってきます。

 研修生N君は所長とチェンソー製材です。あらかじめ両端に打った墨を目標に伐っていきますので、双方の息が合わないと上手に製材できません。以前よりは相手と歩調を合わせる事や、落ち着いて根気の要る仕事も出来る様になりました。

 チェンソー製材した表面は荒いので、カンナかけをしています。電動カンナですが、使い方を誤ると大変危険です。電気コードが切れて赤いテープが巻いてありますが、何が起こるか分かりませんから、慎重に取り扱うようにくどいほど指導しています。

 桁の端に板切れを立てて、木のねじれを目測しています。如何にねじれていても直線に墨を打てば、線の下にねじれは包含されるのではないかと言う思いの所長には、どうしても意味が見えません。

 前面の桁を支える柱を、ホゾ穴に打ち込んでみました。上手く入るではありませんか。苦労が一度に吹き飛ぶ瞬間です。本職でも建ち前に上手く組みあがった時には、苦労も忘れて頭が真白くなってしまうほど嬉しいと言われます。日常的には間違いがあることは常識だそうで、間違った時の用意もしておくのだと教わりました。

 所長の作品です。大きく削るように線を入れて貰いましたが、柱の末口が小さくなる事から少し削って桁に合わせました。

着々と進んできて、工程が夢にまで出てくるようになりました。


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