竹細工のカブト虫

 寒い冬にはストーブの前で、竹細工でもして過ごすことが肝要と考えました。いくらの郷地域には孟宗竹と真竹の2種類が生えていますが、手かご等を編むのには肉が薄い真竹が適しています。

竹には油分が多く含まれており、火で炙ったり、苛性ソーダを入れた熱湯で油分を抜いてから、しばらく乾燥させると、風格があって味わいのある、あの枯れ色の材料が出来るのです。

 

 「木六竹八」と言う言葉がありますが、竹の伐採時期は8月の盆過ぎが良いと左官さんに教わりました。3~4年経った真竹を油分を抜き乾燥させることによって、「竹を割ったよう」に繊維の離れが良くなり、細かな細工が可能になるそうです。Nさんが浮き出た油分を、布で拭き取っています。

外国青年に竹細工のお土産を!


 2月21日にドイツ、フィンランド、ニュージーランドの若者が3名づつ9名と、内閣府や県の役人さん、通訳など一行17名がいくらの郷の視察にお越しになります。

外国青年へのお土産にしようと、研修生のI君と竹細工でカブト虫を制作しました。

 

 この材料は肉厚の孟宗竹です。糸鋸がないのでナタ鎌と小刀で型を作りましたが、堅くて難儀しました。竹の枝で足を作りますが、左右が同じサイズの枝を揃えなければなりません。火で炙ると竹節の元に美しい文様が出てきてきます。

 苦労した処は丸みの付いた体形を作ることでした。お腹の方を狭めて、背中が盛り上がっている感じを出し、背の真ん中には一本の筋をつけて、羽の感じを表現しました。また帰国後に、蓋を開けてみたら壊れていた等という、どこかの国の土産物のような事がないように、足やツノの取り付けは頑丈にしましたが、締めすぎて竹のか細い足を幾度も折ってしまいました。

 


 胴や足の部品は、薪ストーブの上で乾燥させました。油で光沢ができ、曲げた部分は冷えて硬くなります。

 曲げるところはローソクの火で炙ります。気持ちが焦って、焦げ付かせ折ってしまいました。本当は蒸気で曲げるのがよいと思われます。

 

 

 

 クワガタやカマキリなど色々な種類がありますが、お土産はカブト虫に統一しました。

 足は抜けないように、ペンチで固めました。

 最後にニスを塗って仕上がりです。

 

 素人細工と言っても、それなりの芸術作品が出来上がりました。これをお土産にすれば手作りですから、きっと喜ばれると思いますネ。

竹シリーズのお土産ができました。竹するめに竹トンボ、それに竹細工のカブト虫です。

 入れ物は観光協会職員さんの手作りです。赤猪岩神社の大国主命が、可愛くデザインされています。国は違っても、珍しいお土産に外国青年の喜ぶ顔が目に浮かぶようです。


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