青葉・若葉の頃

 いくらの郷地域は、青葉、若葉の美しい季節を迎えています。昨年来、研修生のS君やY君と伐開していた山の法面を削ってもらい、大山が真正面に眺望できる絶景が誕生しました。この上の山の木にウッドデッキやツリーハウスを計画しています。

 木々に囲まれた林道を上がってくると、いきなりこの眺望に出会いますから、誰もが感動する劇的空間です。いくらの郷も見えますから、ここに旗を立ててツリーハウスの目印にしよう、幻想的な虫送りの火灯しをしよう等と、次々と夢が広がっていきます。

 5月12日にウッドデッキの建ち前を行う事が決まり、大忙しでデッキ用に乾燥させていた杉板にカンナかけをしました。私たちの活動を応援する篤志家のFさんに頂いた全自動カンナ機の出番です。4mもの長尺もので、しかも反ったり曲がったりしていますので、削るのに結構な手間が掛かりました。自動ですから押し込めば良いようなものですが、一度に削ろうと思えばモーターが焼けてしまいます。モーターの音を聴きながら、また削れ具合を見ながらハンドルを調整しなければなりません。全部自動と言うわけにもいかず、押したり引っ張ったり手助けが必要です。

女性スタッフ2人を相手に忙しく作業していましたが、途中から怪我療養中の理事長が助っ人に来てくれて、作業がはかどりました。写真は材料を押し込みながら、ハンドル操作をして作業を行っています。削り終えたら反対側から上部のカンナで側面も削ります。

 約20枚の杉板です。手前には大工さんにホゾ穴をあけて頂いた大引きも、束も完成しています。後は建ち前の12日に基礎の上にきちんと収まることを願うばかりです。

 完成した杉材に防腐剤の入った透明な塗料を塗りました。爽やかな5月の風で直ぐに乾きます。

  昨年9月末の台風で被災した、ため池、農地、農道の災害復旧工事も完成し、どなたをお迎えしても恥ずかしくない手の行き届いた美しい山里の景観が蘇ってきました。被災現場に必要な山土を採取してもらって、眺望の開 けた絶景スポットも完成し、田にはレンゲが咲き乱れ、遠くに大山を眺望できます。中山間地農業は高齢化や後継者不足で風前のともし火ですが、泣き言を言っていても始まりません。努力して守るに値する景観を作るのです。手の行き届いた景観は必ず次の世代に受け継がれて行く筈です。ニートや引きこもり青年のサポートと共に、中山間地活性化を目指したいくらの郷の理念の核心です。