第2回火祭り

  今年も火祭り(虫送りのたいまつ行事)を行うこととしました。昨年、随分と感動的だったことから、今年は杭を400本に増やして行います。マムシでも出たら大変ですから、この日までに草刈りを行っておきます。

 各田んぼの周囲に、約2m間隔で竹の杭を立てていきます。

 

 コーヒーの空き缶に、灯油を20㏄ほど入れ燃料とします。今日は西岡さんが手伝いに来てくれました。

 綿でできた紐を芯に使いますが、大きな紐を利用すると大きな火になりますので、大きめな紐を使った方が良いようです。紐の先を針金で止めて、芯がコーヒー缶の中に落ちてしまわないようにします。

 今日は卒業生が応援に来てくれました。仕事が5時までなので、6時ごろには駆けつけてくれて大助かりです。杭の先につけた竹の筒に、コーヒー缶の「たいまつ」を差し込んでいくのです。

 

 

 今年はキャンプ場の周りにも設置しました。

 大山が久しぶりに顔を見せています。今年の夏は毎日雨が降って、中々顔を拝むことはできなかったのですが、夕立の後に見ることが出来ました。展望台に板を持ってきて、卒業生と話しています。一緒に山を伐開して、ここを展望台にしましたので、特に思い入れは強いようです。職場の事、人間関係の事、家庭の事・・・なんでも話せるのですが、「大人」になってしまい、寡黙に大山を眺めています。

 

 午後7時となり、所長のあいさつで火入れのスタートです。今年はコロナの影響で声掛けも遠慮して、少人数で開催しました。昨年と違ったところは、AOT社長のドローンが来てくれたことと、ひめホタルの撮影で、世界最高峰と言われるソニーワールドフォトグラフィーアワード2020で、第2位に輝いた写真家の広池昌弘君が来てくれたことです。

 いよいよ点火しました。まだ明るいようですが、早めに点火して暮れなむ棚田の風景を眺めるのも良いものです。

 研修生だったS君も奥さん同伴で点火しています。地元の子供たちも競って点火して回ります。今年は昨年より増やして400本にしましたが、あっという間に点火されました。

 子供たちの良い思い出になればと願っています。中山間の棚田でも、平地では見られない立体的な虫送りが出来ますし、ひめホタルも源氏ホタルも飛んで、写真で世界一になることもできます。要するにやる気と工夫があれば、こんな魅力的な処はないとも言えます。

 

 点火し終わったようです。昨年の反省から、畔の高いところは2段にしました。

大けたは理事長が草刈をしてくれました。「折角、火祭りをするのに・・」という強い思い入れです。

 

 

 ウッドデッキの周辺にも明かりを灯しました。  

 全部点灯できました。まだ明るいので迫力はありませんが、徐々に暗くなれば絵になると思います。

 

 少しづつ雰囲気が良くなってきました。

 ドローンも飛んでいますし、広池君は良い撮影場所を探して、上に行ったり下に降りたりと忙しく動き回っています。何しろ「ひめホタル」を撮影するためには、深夜の2時でも3時でも頑張るのですから、9時や10時はまだ序の口でしょう。

 ひめホタルはシャッター速度を、5分とか10分の長いものにして、しかも5台位のカメラを据えて撮るのだそうですが、このように動きのないものをとるのはどうするのでしょうか。広池君の技術を早く見てみたいものです。

 

 今年も半分が過ぎ去っていきました。色々な事がありましたが、一番嬉しかったのは、やはり研修生S君やA君が元気を取り戻し、職場に復帰してくれたことです。人それぞれに様々な思いがよぎるのですが、今はただ静かに黙って思いを巡らせているのです。   

 賑やかだった人声もやがて静かになり、夜が更けていきます。それぞれが今までの反省をして、新たな気持ちで後半戦に臨んでいきます。

そんなことから火祭りも続けたいのです。コロナ騒動も収まり、来年こそは大勢の人に来てもらいたい、感動を分かち合いたいという願いを込めて、今年の火祭りを終えることにしました。

 


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