想いを乗せて~ゴトンゴトン~

 初冬となり丹波黒大豆の収穫をしました。割ってみるとまだ熟れていないものもあり、実が赤いのです。取り敢えず葉っぱの落ちたようなものから、少し収穫して帰りました。トラックの上で作業していますが、竿にかけるため紐で結んでいます。

 少しだけですが、それでも竿にかけると結構な重さになります。陽に当たって赤い実も黒く熟れてくれるでしょう。

いくらの郷の初冬の風景です。

 N君も水車づくりにチャレンジしました。難儀だった6角形を簡単に作りましたので、作業がはかどります。

 竹を水平に並べて固定しておいてから釘を打ち付けます。

N君も左利き、私も左利きなので両方から釘を打ち付けて、あっという間に水車部分が出来上がりました。

 羽を取り付ける芯棒をねじ止めします。真っ直ぐに取り付けないと、水車が横に移動しますし、何かと後々困ることが起きてしまいます。ここは慎重にドライバーで取り付けました。

 最後に蓋を取り付けますが、案外難しくて苦労しました。取付金具が小さい事と、開けるときに羽の芯棒に当たって上手く開かないのです。何度も開いたり閉じたりして様子を見ながら、最終の取り付けを行います。

 出来上がった水車に自分で紙やすりを買ってきて、サイドの落書きを消しています。思い入れが違います。このような事の積み重ねが、人として大切なのでしょう。

 

 ニスを塗っています。見栄えが全然違ってきます。思いを込めて丁寧に塗ります。

 手前がN君と奥の方がS君の作品です。比べて見て後から作ったN君の作品が良かったので、これを京都に送ることにしました。

送るとなると早速に試運転をしてみなければいけません。

 記念写真を撮っておきました。2人にとっては中学生以来の木工細工で、しかも水力で芋を洗う機能を発揮するのですから嬉しいはずです。水力、重さなど難しいことが多いのですが、うまく回れば大成功です。

 

 早速に里芋を持ってきて、水車の蓋を開けて入れています。最初はどの程度入れたものか見当がつきませんが、大体半分程度で何とか回るようです。余り早く回っては、あっという間に削れて小さくなりますので、時間をかけながらゴトン、ゴトンと回るのが良いようです。

 この水車は羽の上から水を落として回しています。良く回りますが、水平に設置しないと水の勢いで芯棒がずれて、水車が平行移動してしまいます。

 様子を見ています。少し削れて良い状態です。

 もう一方の水車は銀杏を入れてみました。

 2連で回っています。上から眺めていると、コトコトと音がして生きているようです。見ていて飽きないのです。S君もN君も特別な思いで眺めています。

視線の先には菜種がかなり大きくなって春を待っていますし、鉄砲竹が奢っていた田んぼも、いつしか水張水田になって良い景色になってきました。

 銀杏を入れて回しましたが、蓋が開いて銀杏が流れ出てしまいました。蓋のカギが回転によって開いてしまったようです。このことからカギを付けていても安心せずに、針金でも括って置けば安心です。2度目は漏れもせずに、きれいに皮が剥げて大成功でした。   

 芋の方は少し回しすぎ、小さくなってしまったようです。でもこれで送っても間違いなく、機能するのだと確信を持てました。喜んで使っていただける姿が目に浮かびます。

他愛もない事のようですが、支援の必要な若者にとって、他人に喜んでいただけるものに取り組んだという事が、大きな自信に繋がります。


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