いくらの郷地域にも本格的な春がやってきました。種まき等の農作業が始まるし、モモやサクランボ、リンゴなどの果樹の花も一斉に咲き誇り受粉も忙しくなります。雑草も静かにしていればよいものを、一斉に芽吹いてきて何から手をつけたら良いのやら・・・とにかく忙しくなります。
春は人事の季節でもあります。新しい指導員に仙田慎介君が着任しました。坊主頭になっていますが、本当のお坊さんで、有り難い教えを聞けると思うと、自然に頭が下がります。勝部さんは週3日間のパートになりました。
春になって物事はどんどん進んでいるのに、柱が折れた位の事で悩んでいても始まりません。ナフコに行って薬品注入の9㎝の乾燥材を買って来ました。2万数千円の出費ですが、神様の社なのでケチったらバチが当たります。2度目なのでホゾなども作業が速いです。
N君も驚いています。先週は折れた柱に途方に暮れていたのに、月曜日に来てみたら、新しい柱が立ち、ホゾも完成、今日は板を差し込むホゾ穴を切っているのですから・・・。
日曜日に遠藤大工と相談して買い付けに出かけて、元の所までやってしまったのです。
野地板で直角を取って固定しています。これで果たして屋根部分が上手く入るかどうかを試験的にやってみる事にしたのです。
野地板も使いようによっては重宝します。下の幅を測りそのまま上の幅に合わせます。
なるほどこれなら狂わないはずです。大工の真似事をして賢くなる事は、何にも代えがたい喜びです。
3時になるとお茶のサービスがあり、牧田さんが持ってきてくれるのですが、今日は忙しくて手伝いをしてもらいました。
台座になる横木を入れています。これに板壁を入れますので、縦横の筋違は入れなくても持つという事でした。しかし・・・そんなに固めてしまえば、果たして屋根のホゾ穴にピッタリはまるかどうか・・・心配です。
こちらの心配をよそに遠藤大工は遠慮なしにビスを打っていきます。いよいよはまらない時はホゾ穴を大きくするのだと自分に言い聞かせて、今は兎に角先を急がなくてはなりません。
4方を固めてしまいました。前側の長押(なげし)も固めますので、せめて後ろ側の長押は最後にしようと、まだこだわっています。
途中で乗せて見たら上手く収まりました。漸く安心して屋根に垂木を打ち付けて行きます。
神様と神様の間は板壁で仕分けします。座もはめて少しづつ姿が見えてきました。お札をどうしようかという事になりました。天萬神社は地元、木野山神社は高梁市なので何とかなりますが、祇園神社は京都、遠いのでどうしようか等と新たな悩みが湧いてきます。
屋根はトタン掛けをしますが、片側90㎝にしています。トタンの長さ1・8mを考慮して、半分に切って丁度良い長さにしました。
下から良く見える軒先には、カンナ掛けをしたきれいな松材の板を使っています。真ん中の左右の垂木の併せが案外難しいものです。
N君が棟木に棟梁としてサインをしました。
入蔵部落では、この度の新築に関し随分と喜んで頂き、N君に感謝状を出そうという事になっています。本人も確実に自信をつけてきました。神様のご加護を受けて、順調な人生を歩んでくれるように、今から祈っています。