フル回転

 いくらの郷は現在フル回転の状況です。研修生が二人来ている事もありますが、作ったものの維持管理のための手入れも必要になってきました。ツリーハウスも枯枝を片つけたり、塗料を塗らなくてはなりません。

 これは手すりの木の皮を剥いでいる様子です。子供でも乗りかかって折れたら大変です。

木の皮がついていると皮の下に虫が住み着き、ぼろぼろの虫食い状態になり、例え樫木の樫の木でももろくて折れやすくなるのです。


 黒大豆の土寄せをしています。土寄せは雑草を抑える、倒伏を防ぐ、肥料分を寄せる、湿潤害を防ぐという事で、効果は大きいのです。ただ夏の暑い時期に行いますので作業が大変ですが、やっただけの効果は必ず出てきます。

 所長が機械で起こした後を、研修生二人が鍬で土寄せをしています。作業の前に土寄せの意義について話してありますので、少なくとも頭では理解できていると思います。しかしそうは言ってもつらい作業です。暑い炎天下の作業ですから、汗びっしょりの二人です。でも汗と共に悪いものが体から出ていくのでしょう。終わったときには爽快な達成感と満足感が得られます。


 いくらの郷の前田を農業委員会の許可を得て駐車場にしています。これは最後の仕上げ用に真砂土を入れたものを均しています。「ユンボを使って」と言えば顔がほころびます。若者は機械使いが好きなのです。

 

 

 所長の横にもう一人若者が立って、ユンボ使いを見ています。工業高専のU君です。研修生のN君と同い年という事もあり、N君の良き話し相手にでもなればという事で、理事長が親戚先の子を連れてきたのです。

U君は好青年で何事にも積極的で、これなら自分のような高齢者が相手するよりも話が合うだろうと期待しています。


 看板も5年がたつと随分と傷んできます。先ず塗料がはげてきますし、土と接触している元部が腐れてきました。Kさんの出番です。丁寧に塗料を塗っています。国道入り口と、途中に設置した後500mの案内看板です。

 腐れのないところで鋸で斜めに切って立てやすくしました。理事長が塩ビ管を埋めて、その中に入れたらどうかと提案しました。

なるほどと思いましたが、U君紹介の件と言い、何かこの頃は言う事が適切で理事長株が随分と上げています。


 今日は刈り払い機、チェンソーの目立てを行いました。刃を裏にして、チップの埋め込んである部分を電動ヤスリで削るのです。

回転しているものは一番高いところが最初に草に当たりますので、高さを揃えること、ちびたチップを研磨すること等を話して作業にかかりました。

 N君が刈り払い機の目立て、ボランティアのU君がチェンソーの目立てを学んでいます。新品を買えば良く切れて良いのですが、やがて切れなくなります。水と志は低いところに流れていくものですから、「志を高く持つ」方針のいくらの郷では、磨いて再利用するのだと言っています。

 指導員の牧田さんも学びたいと言って挑戦しました。すごい音ですから耳当てをしてやりました。

 チェンソーの目立てをヤスリで行っています。左右に刃がついていますが、利き腕の方が強くてどうしてもムラが出来ます。所長は左利きなので、左から押す右側が良く削れます。そうすると左に流れて、真っ直ぐに切れなくなるのです。難しいものです。

更に薪を割るようになってから、斜のついた薪は真っ直ぐに立っていないのです。講釈が過ぎると嫌われますから、先ずはヤスリを水平にして3度ほど研ぐことです。


 U君がチェンソーを使用して薪を切っています。材料の木は二人で猫車で協力して運んでいました。ところで薪の積み方ですが、隅だけは写真のように桁積にします。丸太木だと崩れて高く積めませんから、大きく割ったものを互い違いにして積んでいきます。

割った材木がそれぞれに干渉し合い抵抗になって、崩れず高く積むことが出来ます。

N君もやっています。右側から切り始めれば、チェンソーが台の角に当たらなくて良いと思うのですが・・・。

爆音で聞こえませんから、理屈よりもやって慣れろという事です。

 Kさんも興味津々でやってみたいという事で、チェンソーに向かっています。載せておけば切れるというものでは無くて、左手で押さえないと切れません。チェンソーの爆音と目にもとまらぬほど回転する刃など、要らぬ事を考えていたら大けがをしますから、真剣に取り組んでいます。何にも忘れさせてくれるのです。


 薪割りです。二人とも競争のように割っていますが、手前に木を置いて外れた時にも安全装置を施しています。

 木の上に載せて割るやり方もありますが、初心者には危なくて教えられません。

 斧を持ち上るときは、斧の前の方を持たなければ重くて持ち上がりません。振り下ろすときは前を持っていた手をすり下ろして、斧の端を両手でもって振り下ろすのですが、そのすり下ろす事が難しいようです。水平に斧が降りるように、膝も曲げなくてはなりません。膝を伸ばしていれば斧が足に向かってきますから、チェンソーと言い薪割と言い危険な仕事です。考え事をしている暇はありません。一心不乱にさせてしまうのです。

 

 

 Kさんもやっています。恐る恐るですが、平衡感覚が優れているのでしょう。木の真ん中に打ち込んでいます。何度もやっていると、斧の重さで割れますからと言っています。初めてですからおっかなびっくりの様子ですが、膝も折っているし中々良いスタイルです。 


 今日は書道教室の日です。仙田、牧田の両指導員も学んでいます。Kさんはお祝いとか香典と言う実用書道のようです。N君は希望と言う字を学んでいます。一般にも案内は出してあるのですが、参加者はありません。教室の先生に申し訳なく思うのです・・・。

 Kさんが気にしています。やはり隣の出来と指導は気にかかるようです。N君は姿勢も良いし、筆も立って上達すると思います。 


 梅を天日で干しています。炎天に3日3晩干し上げるのだそうです。シソも干してありますが、梅干しといえど手間暇をかけて食卓に上がっているのですね。

 それにしてもきれいな紅色です。

天然自然の物ですから絶対に体に良いと思います。


 祠もほぼ完成しています。いよいよ9月28日には地鎮祭を行う日程も決まって、出番を待つのみです。

遷宮を行うのですが、ここからは部落の出番です。自治会長さんが神主さんに相談して、微に入り細にわたって様々な事を取り決めました。遷宮は一生に一度あるか、ないかと言う行事ですから何事も慎重に行います。この様子はサンチャンネルで放映される予定です。

 三島神社に様子を見に出かけました。古い神社です。下には夜泣き荒神さんが祭ってあります。霊験あらたかで、願掛けをして夜泣きが止まったお方がお礼に参られた事を知っています。一番大変なのはこの急な石段を、祠を持ち上げなければならないという事です。

 三島神社は左右に狛犬も配置されて、立派な神社です。ここは交通の便も良く、皆さんがお参りしやすい事から移転配置することとなったのです。

さてどういう事になるのやら、遷宮の日程はまだ決まりませんが、10月の末頃に行われる予定です。それまでに作った祠をここまで持ち上げて、最後の仕上げをしなければなりません。

忙しくなります。


 視察も訪れます。慶応大学の未来構想キャンプのメンバーです。大きな拡がりを持った取り組みで、大学の知的取り組みを地元高校生に体験してもらう為のイベントです。地域の古き良き部分を残しつつ「今」に合わせてデジタル化や様々な技術手法を導入して、町に新たな価値と存在感を生み出す仕掛けを提案することのようです。

地域の歴史や、いくらの郷の取り組みについてお話させて頂きました。


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