芸術と食欲の秋

 仙田指導員が柵にニスを塗っています。いくらの郷では宅地の前が川なので、竹を編んで柵をしていましたが、もう5年にもなるので腐ってしまいました。これを見かねた仙田指導員が、得意の大工仕事の腕を発揮して一人で作ってくれました。

 駐車場を作るときに余ったコンクリートで土台を固め、柱も

祠を作った時に出た端材を利用しました。門扉ではないにしてもやはり囲うと雰囲気が出て、自分たちの屋代に思えてくるから不思議です。


 春には小さな黄色の花をつけ、秋には黒っぽい実をつける黒文字の天日干しです。

 黒文字は爪楊枝にも利用されている香木で、干して小さく切って煎じてお茶にして飲みます。鎮静、鎮咳、健胃作用などのほか、発がんを抑え、高血圧、冷え性など何にでもよく効き、養命酒にも使われる万能薬木なのです。

 


 アートヘルスケアの講習を受けています。ただお花を選んで好きな花器に活けるだけですが、その動作そのものに大きな癒しの効果が期待できるそうです。

 

 お花には不思議な力があります。黙って静かに眺めるだけなのですが、言葉は空虚に聞こえてしまいます。

ただ座って静かに眺めると、花の命が気高く、誇らしく、凛として他を寄せ付けず、精一杯の命を懸命に生きている事がよくわかります。

 

 芸術鑑賞です。このようにして静かに芸術を楽しむのです。

高ぶった感情も少しづつ穏やかな気持ちになって、落ち着いてきます。

 いくらの郷では研修生のために良いと思われる事なら、何でも取り組んで社会復帰を応援しています。


 東西町地域振興協議会の黒木先生の指導で、コケ玉の講習会を行って頂きました。コケも土もみんな先生が用意して下さり、生徒はただ指導を受けて作るだけです。いくらの郷にはこのような善意の助っ人がたくさん駆け付けて頂き、随分と助かっています。指導員も一緒に面倒を見てもらいました。

 土をこねて丸い団子にします。そしてそこにコケを張り付けるのですが、黒い糸でグルグル巻き付けます。又、これだけのコケを用意するのは 大変だと思われます。秘密の場所があるということですから、南部町の自然は豊かですね。

 このように土の真ん中にくぼみを作って置き、そこに好みの花などを活けるのです。

 立派に完成しました。好みの草花を活けて鉢に入れて眺めてみると、なかなか風情があって良いものです。作る過程に学びがありますし、作ってから眺めて一時を過ごしてもよいし楽しみ方は色々です。草花も見栄えを競っているようです。


 久しぶりにおいしそうなイノシシが檻に入ってくれました。

最近、家の周りを掘ってひどい事をしていましたから、多分その張本人だと思います。

このイノシシは賢くて、仕掛けの針金の手前までは餌を食べ、決して仕掛けに触れないようにしていました。4回くらいそのような事がありましたが、何かの間違いで仕掛けに触ったと思われます。 

 鉄砲ではなく電気で止め刺しをしました。苦しまずに逝ってくれたと思います。

研修生のN君はあまり物おじせずに、イノシシに触って肉付き加減を見ています。適当に油のついたオスのイノシシでした。

 高圧洗浄機でイノシシを洗っています。泥だらけになっているので、洗浄しなければ後の作業がやれなくなるのです。研修生のKさんも何事もない様子で眺めています。

この後、内臓を出してから冷たい水に漬けておくのです。肉が熱を持つので、水で冷ましてから解体します。3時間位以上水に漬けておいても、部位によってはほんのりと温もりがあります。

 吊って解体する方法もあるのですが、最初に学んだトラックの荷台を使って解体しています。研修生のKさんも足を引っ張って、解体の手伝いをしています。N君は肉の部位ごとにナイフを添わせて入れる術が随分と上手いのです。思わず解体屋になったら・・・と言ったほどです。

 

 指導員の牧田さんがアバラを持っています。最後の頃に外すのですが、外側の肉を削ぐたびに「あー」と言う悲鳴が起こります。スペアリブが骨だけになってしまえば、美味しくありませんものね。

でも女性で解体に最後まで付き合うなど、誰でもは出来ない事で頼もしい限りです。

 立派なお肉が取れました。ロースを1本残しただけで、後は殆ど研修生や指導員、近所に配って無くなってしまいました。

これでイノシシも浮かばれるというものです。ところでN君はイノシシの頭を持って帰って、皆さんに自慢したそうですが、「とんでもない物を持って帰って…!」と言われて、夜のうちにいくらの郷まで持って来たそうです。誇らしかったのでしょう。

獣臭もなく美味しかったと皆さんに好評でした。  


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