エキサイティングな4月、5月

 4月、5月はいくらの郷関係者にとっては、心躍る面白い月です。4月になって公演の依頼が舞い込んできました。地域の認知症の皆さんの集いで歌って欲しいとの依頼です。

いくらの郷バンドを結成して、5月25日に向けて練習が始まりました。

 指導員の仙田さんが音楽を趣味にしていることから、色々な楽器を持ってきました。ベースギターを仙田さんが、ボーカルを研修生のN君が、カホンをKさんが叩いて賑やかに練習です。

アンコールの要請があろうという事で、別な曲も練習しています。

人前で堂々と唄いカホンをたたき、拍手喝さいを浴びたらどんなにか自信がつく事でしょう。

スタッフ一同応援して盛り上げています。ジョカの皆さんとの合同練習も予定されています。


 今年もいくらの郷の前田の草刈り、荒起こしをしました。長年の不在地主で、開所当初は草が茂って田んぼの段差は分からないような状況でしたから、毎年草刈り、耕起して草花を植えて環境を守っています。

N君も草刈りが上手になって、一々言わなくても道具の用意から草刈りの出来まで、申し分ないほど良く出来るようになってきました。   

 芋畑の畝作りです。畝立て機械はN君が自分の方から「やらせてほしい」と言ってきました。赤いヤッケのお嬢さんはJOCAの研修生です。淡路島出身で家は玉ねぎ農家だとの事。

道理で畝立ての理屈もよーく理解していらっしゃるし、作業も早い。

11月にはJICAの職員として現地に赴任する予定で、事前研修をいくらの郷で行っています。

 私が言うのも眉唾物の部分がありますが、本当に畝立機を使うのも上手くなりました。畝幅もマルチの長さから自分で見当をつけて耕起しますし、畝の深さも適当です。

 通信教育で高校卒業の資格は取るので、大学に行っても卒業するときには同級生には誰にも負けない経験を積んで、自信を持ってやれるよと励ましています。

 こんな立派な畝が出来ました。手前の方は雨上がりで濡れていますが、先の方はきれいに仕上がりました。後は雨の降るのを待って、マルチを掛けようと思っています。

 

 


 日南町の和尚さんより頂いたひょうたんにドリルで穴を空けて、中に火をともしてインテリアにならないかと考えました。

あらかじめひょうたんの表面に絵を描いて置き、それに沿ってドリルの刃の大きさも変えながら穴を空けていきます。

 中に明かりを灯すと美しい照明インテリアになります。

いくらの郷には室内装飾品が無かったので、良いインテリアの誕生です。

いつか訪れた臼杵市で見た竹灯籠の印象が蘇ってきて、竹灯籠を作ろうと言う事になり、竹も用意しましたが、何しろ忙しい春の事ですから天日で乾燥させています。


 今日は天気も良いし、山菜採りに出かけました。わらび取りです。畦畔をきれいに刈り取りしてありますから、出てくるわらびも大きく安全にとれます。

Kさんが良い場所を見つけました。

 N君も立派なわらびに遭遇しました。

 酢の物にしても良いし、塩漬けにして保存しておいても良いし、昔から田舎の料理には欠かせない具材です。


 今日は野口講師をお招きして、3次元CADの講習会です。

野口講師がライターを元にして、3次元CADの仕組みを教えています。

ライターの寸法を測り、それを無料アプリに読み込んでパソコンで表現しますが、中の仕組みがどうなっているのか分からなくても、自動的に画面に表せるので、便利なアプリだと思いました。

 野口講師の紹介で産業技術センターに視察に行くことにしました。米子市日下にあります。ひっそりとした静かな環境に広大な敷地を持って建っていますが、所長の公務員生活40年以上で一度も縁のなかった施設です。

 最初に見せて頂いたのは、クラッチのボスの形状を拡大して、3次元CADで表現していました。サービス提供機関の終わった部品の再生、供給などに役立つというものです。

 円形テーブルにオモチャが置いてありますが、これをカメラで写しパソコンの画面に取り込むことによって、大きさを数値化できるし、場合によっては寸法を変えてみることもできるという、一連の操作を見せて頂きました。

 画像に見入っていますが、カメラに映らないところも理論的にこうなるしかない、こうあるべきだのような推定が働いて、寸部も違わない画像が取り込めるのだそうです。

やはりソフトの良し悪しが、モノを言うのだと思います。

 他にもロボットを見せて頂きました。我が国の産業の元はロボットに委ねられている事を思うと、この技術の発展次第で我が国の盛衰が決定づけられると思いました。

 一般には馴染みの薄い産業技術センターですが、我が国産業の縁の下の力持ちで、日進月歩の取り組みをなさっているんだなあと思うと、自然に頭が下がりました。


 今年はタケノコの裏年ですが、小さなタケノコが芽を出していました。Nくんが早速にタケノコ鍬をもって掘りに出かけました。上の芽が傾いている方向から鍬を入れればきれいに掘れます。

イノシシと競争ですから、イノシシに後れを取らないように掘らなければなりませんが、人間は表面に出たものを掘るのに対し、イノシシはまだ顔さえ出さない柔らかいものを掘りあてて食しますからかないません。

 ようやくこれだけ掘り当てました。

イノシシが残しておいてくれたのか、とても食えぬとまたいで通ったのかは分かりませんが、これだけでも春を感じるには十分です。

 其処へ指導員の牧田さんの両親から、タケノコの差し入れがありました。米子の方にはイノシシが出ないようで、太くて柔らかそうな絶品です。しかも大量に持ってきて頂きました。

 早速に大鍋でぬかを入れてぐつぐつ煮ます。

あくを取るためにヌカを入れて煮るのですが、燃料となる薪もたくさんありますし、ヌカもイノシシの餌にするほどたくさんあります。早速に牧田さんがタケノコの始末に掛りました。

 

 タケノコ掘りの帰り道でワサビを見つけました。春は色々なものが顔を出して生活に潤いを与えてくれます。柔らかそうな葉ワサビです。辛くなるのにはコツがあって、その人の性格が出るそうです。

 我が妻は極めて性分のキツイ人のようで、鼻にツーンと通る、辛い~辛い葉ワサビのしょうゆ漬けが出来ました。


 里山生物多様性プロジェクトの野口浩二さんです。いくらの郷の下にある里地里山ビオトープを通じて、沢山の親子連れなど生き物に関心のあるお方をお招きして賑やかな活動を展開しておられます。

 手に持っているのはカエルの卵です。見るのも触るのも気持ち悪いのですが、野口さんは生き物がこの水たまりに、寄って来てくれたという事が喜びのようです。

 そう言われて良く見てみると、水辺には名も知らないお花が可憐に咲いていました。

SDGsという事が言われだし17の目標を定めて、持続可能な社会をそれぞれが出来ることで努力しなればなりませんが、差し詰めビオトープで多様な生き物が生存できる環境を整えるという事において、我々も一役買っているという事になるのでしょうか。

 そこらを注意して見まわしてみると、つくしが顔を出しています。小さな可憐なお花が咲いています。

 持続可能な開発目標も良いのですが、開発から取り残されたいくらの郷の自然に、再評価を与えること事だと勝手に理解、納得して、野口さんの言われる生物多様性プロジェクトとお付き合いしています。


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