入れ替わり立代わり

 山田さんがkさんにお花を活けることを解説しています。このお花は山田さんが買ったり、沢山咲かせているお方に断って頂いたり、時には道端に咲いているお花を集めた物です。

1週間に1回ですから、集めるのにもご苦労があろうと推察します。

 N君も教えてもらってお花を活けています。いくらの郷では強制ではなく、活けたい人が活けるように話していますが、皆がお花を手に取って自然に活けています。いつでも要所に季節のお花が活けてあって、自然にお花に囲まれた環境が出来上がっています。平和な一日が訪れます。

 台所に居間に事務室に・・・とお花を飾ることが出来たら、どんなに素晴らしい事かと思います。道辺に咲く可憐な一輪を我が家の食堂に活けたら、話題も自然にお花についてのものに変わっていき、家族の気持ちが穏やかになっていくような気がします。

お花の効果について書いてみましたが、早速、今日から我が家のどこかにお花を活けてみませんか。


 イノシシの解体作業をしています。新入りの女性のkさんも興味津々で、最初は見るだけという事で参加していましたが、途中から自らナイフを手に取ってさばき始めました。なんとも頼もしい限りです。

生きているときはイノシシだけれども、死んでからは肉の塊なので丁寧に解体して、最後には美味しく食べてあげれば、浮かばれるよと言っています。


 今日は刈払い機の講習です。2人とも経験がないので1から教えています。2サイクルと4サイクルエンジンの違い、燃料の違いや・・・・どうでもいいから早く作業がしてみたいと言われているようで、早速作業に取り掛かりました。

 

 kさんは農村地帯で暮らしているものの、家で使ったこともなく全くの素人です。「こうして刈るんだよ」と手を添えて左右に振っていけば、刈った後はきれいになりますから、面白くなってきます。

 直ぐに自分で出来るようになりました。あとは少しづつテクニックを教えていけば、直ぐに一人前になっていきます。

いくらの郷では理論も大切ですが、行動がもっと大切と考え、体を使って爽やかな汗を流す事を基本にしています。ちょっとしたこだわり、恐れ、コミニケーション不足などのわだかまりが、流す汗と共にスカッと消えて、終わった後は実に良い気分になります。

 黙々と取り組んでいます。余分な事を考えるとケガをしますので、懸命に草を刈り気が付いたら終わっていた。後には軽い疲労感と共にきれいに刈り取れた達成感と、心にたまっていたわだかまりがスカッと取れていたというところでしょうか。

kさんは緊張して所々が痛いと言っていました。


 今日はサツマイモの収穫です。全部で1300本植えましたので相当の量です。先ず最初に芋づるを鎌できれいに刈り取っていきます。次にマルチを剥がしていきます。

 次にマルチを剥いでいくのですが、「蛇だ」という声に振り返り良く見るとマムシではありませんか。マムシも直ぐに逃げればよいものを、噛んでやろうと思うのかぐずぐずとしていますから竹を切ってきて捕まえました。

毒をもって噛む特性があることによって、発見された時にすぐに逃げる敏捷性に欠けます。得意な事が命取りになるとはこの事です。 

 マムシも少し寒くなってマルチで囲われた温かい処に潜んでいたのでしょうか。殺生は良くないのですが、逃せば次の人が噛まれますから「最初の発見者がどこまでも追って殺してしまう事」と言って教えています。古老から聞いた話ではその昔、お釈迦さまがお休みのところ足を噛んだそうで「殺生はいけないけれどもマムシだけは例外」とおっしゃったとか。

 N君が注意深くのぞき込んで見ています。都会の子供はマムシを知らない人が多く、これでマムシに出会っても無暗にさわったりしないでしょう。

 kさんもイモ堀を手伝いました。初めての体験だそうです。

 畝の両サイドからフォークを差し込んで堀上げます。色々やってみるに、この方法がイモに傷をつけずに収穫できる一番良い方法と思います。

 今年のイモは出来が余りよくないようです。夏場の高温障害でしょうか。数も少ないし太りも例年とは違い総じて小さいものが多いように思います。でも

これで冬の加工品作業の材料確保が出来ました。

 サツマイモの跡にレンゲを植えようと計画して、早速トラクターで均しを取っています。 

N君にトラクターに乗ってもらいましたが姿勢が良いです。もちろん初めての経験ですが、上手に使っています。


 今日はkさんの20歳の誕生日で、朝からケーキ造りに精を出しています。

 どうしたら美味しく味わってもらい、20歳の誕生日にふさわしい思い出に残るケーキになるだろうかと一生懸命です。上にメロンをたくさん載せてみました。

 素晴らしいケーキが出来ました。皆でハッピーバースデーを歌いお祝いをしました。

いくらの郷では通ってくる皆さんが楽しくなければ始まらないという事で、スタッフ一同も楽しく賑やかに童心に返って楽しんでいます。 

 皆さんにお話しするのです。決して焦らない事。まだまだこれからの人生なのですから、「様々な事を経験して自信を持って歩んでいこうね」と言うようなことでしょうか。実際に体験した事は自信を持って話せるし、体験に裏打ちされた話には聞く人に安心感を、時には感銘さえ与えます。先ず自分をしっかりと確立する事が出来れば、他人に対して思いやりや優しさも湧いてきますよと。いくらの郷ではこんな方針を自然に理解できるように、色々な体験を中心にして若者の社会復帰を支援しています。 

 

 研修生の入れ替わりがあったので報告しておきます。従来から通ってきていたkさんは派遣会社に就職でき、自動車も購入して10月半ばから大学のベンチャーで働いています。高校中退して1年生の夏から通ってきているN君は、通信教育での高卒資格取得を目指し3年生になる今年、関西の某大学を目指し勉強していましたが、見事に合格し来春からは大学生となります。

 

 最近入ったN君は東京生まれでしたが、高校生の頃に引っ越しで米子暮らしとなり、以後10年以上引きこもり状態が続いています。現在、33歳になります。

女性のkさんは20歳で、高校卒業後も働けず家にいました。コミニュケーションが苦手です。

特徴的な3人ですが、必ず社会で通用するようにしてあげたいという思いで一杯です。 

  


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